担任の先生とは何度も話し合いをしました。
小学3年生の時、娘はまだ発達障害の診断を受けてはいませんでした。LD(学習障害)やADHD(注意欠如・多動性障害)はなく、普通クラスで問題なく過ごしていたので、その必要はないと思っていたからです。ただ人並み外れて不器用、極端に運動が苦手なことが目立ちました。
娘と担任の先生との相性はあまり良くありませんでした。
3年生になってすぐに「私だけ休み時間に縄跳びの練習をさせられる」と娘から相談を受けました。1週間、中休みも昼休みも縄跳びの練習をして、1回も跳べません。これ以上やると彼女の自尊心を傷つけるだろうことは予想できました。
診断は受けていなくても発達障害の知識を持っていた私は「彼女は発達障害の傾向があり、本人の努力とは関係なくできないのである」という説明をしました。小学3年生ならできて当たり前が通用しないのです。先生はあまり納得していないようでしたが、親から苦情が入ったので、やめてくれたという印象でした。
この先生は生徒が「できないことをできるようにしてあげる」ことに教師としての喜びを感じるタイプでした。普通の子を持つ親ならとても良い先生と思うでしょう。でも「できないものはできない」私の娘とは最悪の相性です。
「できない」ことに目が行く先生にとって、不器用な娘が目立つ存在だったのはしょうがありません。娘は「先生が私ばかり注意する」といいます。「ほうきとちりとりがうまく使えない」「雑巾がちゃんと絞れない」「声が大きい」などです。
本人は一生懸命やっているけど、不器用な彼女は雑にやっているように見えるのです。そしてTPOに合わせた態度を取るということもできていませんでした。
私は、同級生というより「先生から娘を守る」ために「診断が必要」と判断し、半年待ちは当たり前の発達支援センターの児童精神科医に予約を入れました。この出来事がなければ、診断は受けていなかったと思います。
予想はしていたとはいえ娘に「自閉スペクトラム症アスペルガー型(ASD)」「発達性協調運動障害(DCD)」の診断がくだったのは親として受け止めるのがつらかったです。
私は担任に「先生が娘ばかり注意したら、それを見て周りも『攻撃していい子』と思ってしまう。それもいじめに繋がったのではないですか?」と指摘しました。
先生も2人の子を持つ母親でした。良い先生、母であろうと努力している人でした。私の話に真剣に耳を傾け「良かれと思ってしていたことがお子さんを傷つけていたかもしれない」「自分の指導が周りの子に影響していたかもしれない」と、今後の指導のあり方を変えていくことを約束してくれました。
ーー 次回、学校が動く”いじめた子のケアが実は大切”
親として「いじめと向き合う」③ につづく
(長文になったので4回に分けて投稿しています)